仲の良い二人の少年と彼らが愛した少女をめぐって、青春の苦さを描いた遠藤周作の同名小説の映画化。脚本はジェームス三木、監督は山根成之、撮影は坂本典隆がそれぞれ担当。
監督:山根成之
出演:郷ひろみ、秋吉久美子、川口厚、中谷昇、一氏ゆかり、林ゆたか
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さらば夏の光よ (1976)のストーリー
南条宏(郷ひろみ)と野呂文平(川口厚)は、アルバイト捜しで立ち寄ったハンバーガー・ショップで、美しい女店員・戸田京子(秋吉久美子)を一目見た時から、二人とも心うばわれるものを感じた。しかし、この恋の競争は、行動的で調子のよい宏が、内向的で真面目な野呂をリードした。その店に宏だけが採用されたからだ。宏と野呂は性格も考え方も違うのだが、なぜかウマが合い、ひとつ年下の宏は、大学浪人の野呂の下宿に居候している。現代っ子でどこか憎めない感じの宏は、働きながら京子の心を次第に捉えていった。
そんなある日、宏は京子とのデートをすっぽかしたために、野呂が代役をつとめた。生まれて初めて女の子とデートした野呂は、たちまち京子に熱をあげてしまった。そんな野呂の熱情にうたれた宏は、無器用な彼のために、デートのチャンスをつくってやったり、口説き文句を教えてやったり、京子との橋渡しを買ってでるのだった。宏を愛し始めていた京子だが、悩んだすえ、宏の行動に反発するかのように、野呂の愛を受け入れ、同棲生活に入った。二人を祝福した宏だったが、その時、初めて自分も京子を愛している事を知った。
そんなある日、京子が店の支配人に犯されそうになった。怒った宏と野呂が、支配人を詰問している時、はずみで野呂が支配人に重傷を負わせてしまった。宏は、京子が野呂の子供を身ごもっており、未成年の自分の方が罪が軽いと野呂を説得し、身代りに自首した。やがて、野呂は希望の大学に合格したのだが、警察の調べで全てが明るみになり、逮捕された。釈放された宏は、生まれてくる京子の子供のためにも、獄中で喘息で苦しむ野呂のためにも、保釈金を用意しようと奔走した。だが、若い宏にとって二百万円の保釈金は手にあまり、思いあまった末、かつて幼い自分を捨てた父・藤倉(中谷昇)に借金を申し込んだ。突然の申し出に驚いた藤倉だが、金を用意した。宏は早速保釈金を持って拘置所に行くが、野呂は喘息のために急死した後だった……。葬式の後、宏は京子に結婚して野呂の子を育てようと告げた。だが、京子は、自分が愛してたのは野呂で、子供は郷里で生む、とプロポーズを断った。そして、郷里へ帰る京子を見送った宏は、野呂が可愛がっていた十姉妹を放してやった。冬空の彼方に飛び去る小鳥に、宏は別れの微笑を送った。
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