複数女性と関係をもつ中年男の姿を描く。渡辺淳一原作の同名小説を荒井晴彦が脚本化、監督は根岸吉太郎、撮影は川上皓市がそれぞれ担当。
監督:根岸吉太郎
出演:秋吉久美子、沖直美、岩本千春、藤田亜里早、岸部一徳、池田満寿夫、木内みどり、津川雅彦
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ひとひらの雪 (1985)のストーリー
伊織祥一郎(津川雅彦)と高村霞(秋吉久美子)はある知人のパーティで十年ぶりの再会をした。伊織は四十半ばで、原宿に事務所を持つ建築家である。彼には扶佐子という妻(木内みどり)と一人娘まり子(藤田亜里早)がいたが、四年半も前から別居中で、その原因となった若い秘書・相沢笙子(沖直美)との関係は今も続いている。
霞は三十歳、画廊を営む年の離れた夫・章太郎(池部良)と義理の娘かおり(岩本千春)とともに、鎌倉の邸宅に住んでいた。十年前、美大生だった霞は講師にきていた伊織に憧れ、一夜をともにした。その後、伊織は何事もなかったようにふるまい、間もなく講師をやめたが、その時が初めてだった霞は妊娠し堕胎していたのだ。霞のもとに伊織から会いたいと電話が入った。誘われるままに伊織のマンションを訪れた霞は、ベッドをともにするが「今度は、私が遊ぶんです」と伊織の両手を縛るのだった。逢い引きを続けるうちに、霞の気持は本物となり、逢瀬に燃えていく。
伊織の変化を察した笙子は、同じ事務所の宮津(岸部一徳)とスキーに出かけ浮気してしまうが、伊織を忘れられず、彼を求めるのだった。ある晩、会社を辞めて連絡の跡絶えた笙子と霞が伊織のマンションで鉢合わせした。霞にかなわないと悟った笙子は宮津と結婚する決心をする。扶佐子が離婚を承諾した。伊織と霞はスペインへ旅行する約束をする。だが、霞は空港に来なかった。半月以上たち、かおりが伊織の前に現われた。伊織は霞の浮気が章太郎にばれてしまったことを聞いた。かおりは霞の味方として、伊織との旅行のアリバイ作りを手伝っていたりしたが、霞の真剣になりすぎる様子をみて不安になってきたのだと告げた。伊織のマンションに行ったかおりは、伊織に「抱いて」とせまるが拒否される。そして、一人になった伊織は窓辺の桜の花びらを見ながら泣くのだった。
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